1.リスクってなんだろう

ITプロジェクトにおけるリスクは、4つにわけて考えられます。

脅威
(プロジェクトにマイナスに働く事象)
好機
(プロジェクトにプラスに働く事象)
全体リスク
(プロジェクト側で対処できない事象)
給料が下がる 給料が上がる
個別リスク
(プロジェクト側で対処できる事象)
作業が予定よりも遅れる 作業が予定よりも早く終わる

2.課題とリスクの違い

課題をリスクと捉えて話す人がいます。課題は現在進行形で起こっている問題で、リスクは未来に起きるかもしれない良いこと/悪いこと(課題になるかも)です。
次のような違いがあります。

リスク 課題
前提 良いこと(好機)、悪いこと(脅威)のどちらもある。 いま、発生していて対処が必要な問題
影響 良くなること、悪くなること、両方ある。
(何も変わらないもある)
悪くなることしかない

 

3.リスク管理

リスクが理解出来たら、リスク管理表を作って管理します。

リスクの特定 事象
担当
想定発生時期
リスク分析 発生確率(低:1~5:高)
影響度(低:1~5:高)
スコア(発生確率×影響度)
リスク対応(計画) 対応戦略(回避/転嫁/軽減/受容)
対処内容
トリガー(リスクが発生したと判断する時期/きっかけ/予兆)

対応戦略の意味は、次のとおり。一般的なリスクの対応戦略はエスカレーション等ありますが、ITプロジェクトでは、次の4つで問題無いと思います。
(少なくとも、自分は、この4つです。もっというと、軽減か受容を使用することがほとんどです)

回避 リスクを無くす(回避)する。
(例)遅れていたので、納期を延ばして再スケジュールする。
転嫁 リスクを他者に引き受けてもらう
(例)ベンダーに引き受けてもらう。
軽減 リスクの影響を小さくする
(例)テストを多く実施し、品質を高める
受容
(能動的受容)
リスクを受け入れ、対応する。
(例)予め計画で見込んでいたリスク予備費を使って対処する。

受容には、受動的受容である「何もしない(なすがまま)」というのもありますが、今まで使ったことが無いので省略します。
(まず、使うことはありえないでしょう)